君ともう一度。

ーーガシャン


立ち上がった拍子になにかが、落ちたらしい音がした。

足元に目をやると見慣れない袋が落ちていた。


「芹が持って来てくれたの?」


中にはスポーツドリンクとゼリーが入っていた。


「ううん。私はこっち」


そういいながら芹は横に置いてある袋を持ち上げた。

じゃあ、誰が?

芹の前に誰か来たのかな?


寝ている間に誰が…。


「とりあえず、着替えておいでよ。
ちなみに夏耶ママならさっき買い物行って今いないから」

「あ、了解」


私は着替えをしに脱衣所に向かう。

誰かがお見舞いに来てくれた。


でも、連絡したのは2人だけ。

じゃあ、永田くんかな。

他に思いつかないし。


でも、私が好きなゼリー。

永田くんはそれを知らない。



「…まさか、ね。」



思い浮かべてはすぐに頭から追い出した。

だって、そんなことありえないもの。


だから、考えないように記憶から追い出す。

考えて考えても、彼は戻ってこないのだから。


とりあえずは、あとでお母さんに聞いてみよう。

その時のために、袋を冷蔵庫にいれた。


外はすっかりと日が落ち始めている。


部屋に戻ると、芹はまるで自分の部屋みたいにくつろいでいて、漫画を読んでいた。


「あ、おかえり〜
プリンでも食べよ」


机を用意して、プリンとお茶が用意されている。

準備がいいこと。






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