炭酸アンチヒーロー番外編
「つ、つじくん、……今……」

「……そんな、かわいいカオしてんなよ。一応外なのに、もっとしたくなんだろ」

「……!」



頬を撫でる手はそのままに俺が不機嫌な声音で呟くと、ぼぼっ、と顔から火が出るんじゃないかってくらいまた真っ赤になって、口をぱくぱくさせる蓮見。

そんな彼女を見下ろしながらやさしくポンポンと頭を叩いて、俺は「じゃあ、」と踵を返した。



「あ……っ、ま、また明日ね、辻くんっ!」



それには言葉を返さず、右手を上げてひらひら振り返すに留めた。

彼女からは見えない角の先まで来たところで立ち止まり、思わず片手で顔を覆って、深く息を吐く。



「ガキか、俺は……」



たった数秒のことなのに、触れていたくちびるが熱い。

彼女の、潤んだ瞳や赤く熟れた頬が頭から離れない。


……あーくそ、キラキラしてんなよ、夕日!







ドキドキオレンジ。
(その日の夕日は、やけに綺麗なオレンジ色で、)




2013/08/22
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