裏面ワールドトリップ
無職の仕事人間
3ヶ月前まで、私はあるデパートに勤務していた。



特別、接客業に関心があったわけではないけれど、何となく応募したデパートの求人に偶々採用され

高校を卒業してからずっと、そこに勤めていた。


当時のデパートは今と違って、少ないながらも高卒・短大卒の採用枠があったのだ。



私が配属されたのは、デパートの目玉とも言える洋服やジュエリー

ではなく、インテリアファブリックの売り場だった。


扱う商品はカーテンやクッション、ベッドやソファー用のカバー

それにテーブル周りで使う布製品。



プライベートで打ち込める趣味などは無く、彼氏もいなかったから

目の前に仕事があれば、とりあえずそれに全力を注いだ。



そうして月日が流れて行った。
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