裏面ワールドトリップ
「姫は最上階に囚われているそうだ。

レニー少尉のグループが先に行っている」


ハウスドルフさんが私に向かって言った。



レニー少尉からの通信によると、最上階は言わばモーリッツのプライベートフロアらしいのだが

そこに彼の姿は無く、お姫様は1人で監禁されているという。


「メンガー大尉たちがモーリッツの執務室と書斎を捜索したが、奴はそこにもいなかったそうだ」


その時、右手の廊下の奥から微かな足音が響いてきた。


「ハウスドルフ中尉、急ぎましょう」


ミュラー軍曹に促され、私たちは正面の階段を素早く駆け上がった。
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