裏面ワールドトリップ
4階まで順調に辿り着き、5階を目指そうとした時である。



ミュラー軍曹が小さな呻き声を上げて、その場にくずおれた。


何が起こったのか把握する間も無く

「危ない!」

と叫んだハウスドルフさんに抱えられるようにして、私の体が床に押さえ付けられる。



「クッソ……」


ハウスドルフさんは一瞬で跳ね起きると振り向きながら弓矢を構え、躊躇無く放った。


その矢が、私たちの背後から逃げようとしていたクリステラクト兵の眉間に、正確に命中する。




……それだけの事が、ほんの2,3秒の間に起こった。
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