裏面ワールドトリップ
しかし私がそう言うと、友人は呆れたような顔をした。
「早く結婚した方がいいって?」
私は友人の表情をそのように解釈したのだが、彼女は全く心外な事を言った。
「いや、そうじゃないけど。
なんか……いいねぇ。呑気で」
「は?」
今の話のどこが呑気だと言うのか。
友人の言い分はこうだ。
「仕事もまぁ、それなりに大変だろうけど
母親なんてもっと大変だよ。
それに売り場係長って、最悪、真琴がいなくても誰かがやるんでしょ?
この子の母親に代わりはいないから……」
そう言いつつも、友人は膝の上に座る我が子を愛しげに見つめた。
人の苦労に優劣を付けるような友人の発言こそ傲慢ではないかと一言反論したくなったけれど、くだらないのでやっぱりやめた。
苦労なんて、内容も度合いも人それぞれ違うのだ。
そんな当事者にしか見えないものを自慢して何になる。
「早く結婚した方がいいって?」
私は友人の表情をそのように解釈したのだが、彼女は全く心外な事を言った。
「いや、そうじゃないけど。
なんか……いいねぇ。呑気で」
「は?」
今の話のどこが呑気だと言うのか。
友人の言い分はこうだ。
「仕事もまぁ、それなりに大変だろうけど
母親なんてもっと大変だよ。
それに売り場係長って、最悪、真琴がいなくても誰かがやるんでしょ?
この子の母親に代わりはいないから……」
そう言いつつも、友人は膝の上に座る我が子を愛しげに見つめた。
人の苦労に優劣を付けるような友人の発言こそ傲慢ではないかと一言反論したくなったけれど、くだらないのでやっぱりやめた。
苦労なんて、内容も度合いも人それぞれ違うのだ。
そんな当事者にしか見えないものを自慢して何になる。