裏面ワールドトリップ
朝食の後、私たちは応接間へ移り
私がこちらの世界へ来たそもそもの目的、つまりお姫様が変な誘惑から自分で自分の身を守れるようにしてあげるという仕事について、具体的な話し合いをした。
まず、私の状況判断能力や、モーリッツの〈言葉小人の力〉をも凌ぐ芯の強さが一体どのようにして鍛えられたのか、説明を求められた。
「説明、ですか……」
敢えて言うなら、それらはデパートでの仕事によって身に付いたものである。
まさかお姫様にデパートで働けとは言えない。
答えに窮していると、
「あの、その件なのですが」
私の様子を黙って見守っていたお姫様が、おもむろに口を挟んだ。
「良からぬ者の誘惑から身を守る方法なら、もう教えていただきましたよ」
「……?」
国王と王妃の視線が私に集中する。
「真琴さん、昨日クリステラクトで仰ったではありませんか。
『もっと貴女の事を尊重してくれる人を選ぶべき』だって」
「え?……えぇ」
「そして私、その相手を既に見付けました。
レニー少尉です」
私がこちらの世界へ来たそもそもの目的、つまりお姫様が変な誘惑から自分で自分の身を守れるようにしてあげるという仕事について、具体的な話し合いをした。
まず、私の状況判断能力や、モーリッツの〈言葉小人の力〉をも凌ぐ芯の強さが一体どのようにして鍛えられたのか、説明を求められた。
「説明、ですか……」
敢えて言うなら、それらはデパートでの仕事によって身に付いたものである。
まさかお姫様にデパートで働けとは言えない。
答えに窮していると、
「あの、その件なのですが」
私の様子を黙って見守っていたお姫様が、おもむろに口を挟んだ。
「良からぬ者の誘惑から身を守る方法なら、もう教えていただきましたよ」
「……?」
国王と王妃の視線が私に集中する。
「真琴さん、昨日クリステラクトで仰ったではありませんか。
『もっと貴女の事を尊重してくれる人を選ぶべき』だって」
「え?……えぇ」
「そして私、その相手を既に見付けました。
レニー少尉です」