裏面ワールドトリップ
環の真ん中には1つの星も見えなかった。



全くの闇、漆黒。


宇宙空間に開いた穴のようにも見える。



私はその穴の中心を目指して飛行速度を上げ


勢いよく中へ飛び込んだ。



一瞬

体がばらばらにほぐされて細胞の1つ1つが波打つような、妙な感覚を覚え

次の瞬間にはもう、私は何事も無かったかのように、ウイスキーの瓶を握ったまま再び宇宙空間を飛び続けていた。



ただ1つ

青い惑星が、目の前に現れた事を除いて。
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