裏面ワールドトリップ
呼吸が落ち着くのを待ってお茶を1口飲み、ビスケットをかじる。


素朴な甘さに気持ちが和らぎ、もう1枚、更にもう1枚と手が止まらなくなった。



出されたビスケットにクリームチーズとジャムを塗って全部平らげ、お茶を飲み干すと

さっきまで夢の中にいたというのに、またしても濃密な疲労感と眠気が押し寄せてきた。


ローゼさんがベッドを貸してくれる。



枕の中に、何かポプリでも入っているらしい。


深く穏やかで、心の中を清めてくれそうな香りが、そっと私を包み込む。



何の香りだろう、と考えを巡らす間も無く、私は眠りに就いた。
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