不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 でもそれはマネージャーを苛立たせた。
マネージャーは何時の間にか木暮敦士を愛してしまったのだった。
そんな時にMAIの妊娠が発覚する。
マネージャーは嫉妬に狂い、男装をしてストーカーになりすました。

その上でMAIを階段から突き落としてしまったのだった。


見る間に真っ赤に染まるMAI。
彼女はその時流産してしまったのだった。


MAIは流れた二人の愛の結晶を掌に乗せた。
小さな胎児。
それは握り拳程度だった。




 でも木暮敦士はMAIの妊娠も流産も知らない。
検査薬で反応は出ていたのだが、忙しさを言い訳に診察にいかなかったのだ。


MAIは木暮敦士のファンの子が事件を起こしたと思ったのだった。
だから言えなかったのだ。


木暮敦士は又、二人で居られる幸せを噛み締めていた。

それはMAIがストーカー被害を木暮敦士に話さなかったせいで、本当に何も知らなかったのだ。


MAIは、芸能人の妻ならそう言うこともあり得ると思っていたからだった。


MAIと木暮敦士の部屋を見上げるストーカー。
それは帽子を目深に被っで男性に変装したマネージャーだった。
MAIはマネージャーの目を知っていた。
木暮には絶対に見せないMAIを鋭く威嚇する眼光を。

その事実をやっと知ったMAIは、事務所の方針ではないのではないかと気付く。

でも、木暮に心配を掛けまいとして心にしまい込んだのだった。

だからあえて、幼なじみだと言ったのだった。


二人を別れさせるのが目的だったと知ったMAI。
だから、スキンヘッドを勧めてしまったのだ。

それはマネージャーの思い通りにはさせないと言う意思表示だったのだ。




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