不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 「瑞穂か、何だよ急に」
叔父さんは俺と有美の訪問に驚いたようだった。


当たり前だ。俺だって驚いたんだから……


「ねえ瑞穂の叔父さん。瑞穂の女装をお願い」

でも有美はそんなことはお構いなしで、ズゲズケとしゃしゃり出て顔の前で手を合わせお願いポーズをした。




 「大切に着ろよ」
そう言いながら叔父さんは、奥さんの形見のワンピースを出してくれた。


「はい、それとスパッツ」


「瑞穂の叔父様古い。それ今レギンスって言うのよ」


「し、知っていたよ」

有美の勢いに叔父さんもしどろもどろだった。




 俺は奥さんの花嫁道具の一つである三面鏡の前で着替えを始めた。

結婚する前ドレッサーかこれにするか迷ったそうだ。

その頃の流行りはドレッサーだったらしい。
でも場所をとるからと、これに決めたそうだ。

そんな話しを思い出しながら、俺は鏡を見ていた。


何時になくしょんぼりしていた。
だんだん女に変わっていく俺。
まさかみずほが何もかもお見通しだったとは。

俺にはどうすることも出来ずに、ただ有美の言いなりになるしかなかった。




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