orders!
「でも結局、今日もこうして会いに来たんでしょ?」
「……うう、そんな自分が悔しいです」
「素直で何よりじゃない」
そう。昨日あれだけ言って逃げ出したにも関わらず、結局私はこうしてお店へとやってきてしまった。
あの時は腹が立ったけど、落ち着いて考えるとやっぱり洸ちゃんが好きで、顔が見たくて声が聞きたくなる。
「会いたいんだもん!家に行っても部屋には入れてくれないんだもん!『用があるならメールで』って冷たくするんだもんー!」
「洸くんも男の子だから仕方ないよ」
カウンター席で、私は頬を膨らませながらカップに口をつけカフェオレを飲む。
……苦い。
洸ちゃんが入れてくれるカフェオレは、いつもミルクがたっぷりで甘い。甘党な私の好みを知り尽くしている人だと、思う。