初恋はユーレイ君と!?




「……………ここまででいいよ。

━━━━━ありがとう、拓也くん。」






「…………そっか。ごめんな、暗い話して。」






「…………いいの。」






拓也くんは、不意にあたしのアパートを見上げた。





「……………ここ、兄貴が死ぬ前、住んでたんだよ。」






…………━━━やっぱり、そうなんだ。






真斗は、このアパートに住んでいたんだね。





「…………そうなんだ。」





「…………あ………………ご、ごめん、

つい思い出して…………。



んなこと言ったら怖くなるよな。」







「……大丈夫。」





……………お兄さん、見えてるから。






元気にしてるから。






拓也くん、お兄さんはここに住んでるよ。





楽しそうに暮らしてるから。





怖くなんかないよ。





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