初恋はユーレイ君と!?





「よぉ、ね~ちゃん。」





「えっ、おぃ、ね~ちゃんめっちゃ可愛くね?」





複数の男の声が、あたしに降りかかってくる。





あたしは持っていたバッグを両手で握り締めた。





足が動かない。






「ほ~ら、俺の勘は当たるんだよ!」





「いやぁ………君、モテるっしょ?」





えっ…………………。






「彼氏とかいんの?」





彼氏…………………。





今は…………いないのと同じなのかな………。






黙っていると、男らは嬉しそうに目を見合わせていた。





「……ね~ちゃん、ちょっと付き合わねぇ?」





「え?」





「いーから、早く乗れよ」





危険を感じたときには、もう遅かった。





腕を強引につかまれ、持っていたバッグが地面に叩きつけられた。





「………ちょっ………やめ…………」






抵抗しても、力ではかなわない。





…………怖い。






真斗……………………






真斗………!!






< 80 / 172 >

この作品をシェア

pagetop