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一瞬思考が停止する

そして、停止している場合ではないと再起動。
あわてて体を起こしながら自分の今の格好をおもいだす。

もちろんすっぴん。
髪はぼさぼさのおでこ丸出し。
着ているのは1260円で買ったマキシ丈のTシャツワンピ。

「龍だと思ったでしょ」


いつも通りのにっこり笑顔で、部活帰りの格好をした陸。


「うん、っていうか、ごめん、こんなかっこで。お茶もってくる」


いたたまれなくなって部屋から逃げる。
出た後に、自分の部屋が人に見せられる状況じゃなかったことを思い出して後悔する。

「お母さん!なんで起こしてくれないの!びっくりするじゃん」


うちの両親は共働きで、本当ならこんな事態にはならなかったはずなのに、ちょうど母親は夏休みをとっていて在宅。
絶対におもしろがってる。


「だって龍君じゃない男の子なんて初めてじゃない!彼氏?
あ、はいお茶」


一番上等なお茶セットに、お上品にお茶とお菓子が用意されていた。
こんな見栄を張ったところで、娘がこの格好してたら無駄だとは気付かないのかしら。

そんな母親をきつく人にらみしてからおぼんを自分の部屋にはこぶ。

「私、でかけるからよろしくねー!」


このタイミングで出かけるなんて、絶対おもしろがってる。
中からチェーンかけて閉め出してやる。
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