本気で大好きでした。


「彼方… 彼女いるのにいいの?」

「じゃあ、離す?」

「えっ」

「ははっ」

「だって、彼方の手すごくあったかいんだもん」

「そっか。なあ…理緒、大丈夫か?」

「ん?」

「おれはなにがあったかわかんないけど、すごい辛そうなのはわかるよ」

「もう大丈夫」

「おれの前では… 我慢するなよ」



その言葉を聞いて

また目があつくなった。


あんなに泣いたのにも関わらず

涙が頬を伝ってゆく


彼方にすべて聞いてほしいと思った。

どうにかしてくれるわけじゃない

そんなのわかってたけどね……


「おれでいいなら…はなし聞くよ?」


そう言った彼に、あたしは甘えた。


いきなり那緒と出会ったこと、お母さんが死んだこと、お父さんに再会したこと


最近起きたこと、すべて

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