本気で大好きでした。


車に乗ること10分。


「理緒、大丈夫か?」

「………」

「……理緒?」

「ん?ごめんごめん。なに?」


あたしがなんとなく思い出したこと。

それは……


「いや、考え事してたみたいだから…。また追い詰めてなきゃいいなって」

「うん、大丈夫。昔のことをね」

「昔……?あんまり考えすぎるなよ」


そう言って、またあたしの頭を撫でた。


どうしてこんなに優しいんだろう。

いまのあたしに彼方がいなかったら、あたしはどうなっていたんだろう。

ひとりで泣きながら

あの家に帰ってたのかな……

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