本気で大好きでした。


そう言われて素直に渡すあたしも超素直だと思う。


「こんなにタール強いヤツからいきなりやめれんの?」

「だって彼方に没収されてたら、吸えないじゃん」

「じゃあやっぱり、おれの前だけにしてよ。おれが持ってるから」


どっちなんだよ、とか思いつつ

それも許せない自分がいる


彼方にこんな自分はみせたくない、とかそんなことを思っている


「やめるから、大丈夫。無理になったらここに来る」


あたしがそう言うと、「はいはい」ってテレビを見ながらお酒片手に笑っている彼方。


「ふあ〜あ ねっみー。もう寝るか」

「あたしどこで寝ればいいの?」


この部屋にはもちろんのことながら、ベッドは一つ。

布団があるわけでもないし、ソファーがあるわけでもない。


「ここ」って、ベッドをポンポンって叩いている彼方。

「じゃあ彼方は?」と聞くと、「それもここ」とまたベッドをポンポンしている。


…………嘘でしょ


ねえ彼方

君には彼女がいる。

なのになんでなの

泣いているあたしを抱きしめたりさぁ


どうしてあたしにそんなに優しくするの?


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