ティーチ?
「ふはっ、おもしろいねー、君」

「え、あ、恐縮です……」

「ふふ、『恐縮』って」



至近距離で見る先輩の笑顔にドキドキしていると、そこで彼は一旦言葉を切って、にこやかにうなずいた。



「……──うん。いいよ、オトモダチ」

「……!」



え! うそ! やった!

楽しげに笑う先輩の言葉に、ありがとうございます!と私が答える前に。



「っわ、」



差し出したままだった右手を、ぐいっと引かれて。



「──よろしくね、サチちゃん」



私の肩を抱くように引き寄せた鎌田先輩は、耳元でそう囁いて、私の背中をポンポンと軽く叩いた。



「へっ、なっ、あ……っ」



体温はすぐに離れたけれど、私は突然の出来事に、かーっと頬が熱くなるのを感じる。

そんな私の反応を見て、また先輩が声を上げて笑った。



「あははっ、サチちゃん、顔真っ赤!」

「えっ、え……っ」

「かーわい、ウブなんだね」



くすくす笑いながら、先輩は自分の首にかけたタオルをつまんで見せる。
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