君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】

その会場に集まった人たちは、
派手な衣装を着て、派手な髪型をしたり
理解に苦しむような、ひらひらの服を着てたり。


かと言えば、馴染みやすそうな
Tシャツに、Gパン姿、
ベストを一枚羽織ったラフなヤツ。


後は黒っぽい服の奴が密集していた。





そんな中、係りの人らしい男性が
ファンを整頓させるのに必死になっていた。


手には、チケットらしい紙を握りしめて
歩道に貼られた数字を手掛かりに順番に並んでいく。




「紀天、何?ここ?
 アンタ、何時からこんな趣味してたの?」



あまりの見慣れない風景に晃穂の勢いも今は弱い。


大丈夫。

オレが近くに居て晃穂を守る。

なんてオレ自身もわけわかんねぇ思考を抱きながら挑んだLIVEハウス会場前。


LIVEハウスは、3階建てらしく
一階【大ホール SHADE】。

二階【中ステージ MAD】。

三階【小ステージ キミオト】。



なんて書かれてる情報に今更気が付く。
なんだよ、このお客さんたち一つのファンじゃないんだ。



「はいっ、そこ。
 歩道の真ん中で立ち止まらない。

 チケットの整理番号中に並んでください」


お兄さんは歩道端にオレたちを誘導しながら、
手厳しい声を出す。



オレ……何処に行くんだよ。
今更ながらじっくりとメールを覗く。


えっと……何、何?
SHADE。


おぉ、SHADEって……大ホールっ書かれてた名前だな。




「すいません、オレこれ貰ったんですけど、
 何処に並んだらいいですかね」


慣れないオレには、聞くのが一番な訳で。


携帯画面を見せた途端にスタッフは、
驚いたような表情を見せた。
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