~宿命~
人はテンションが上がると予想不可能な突発的な行動に出ることがある。
無駄な動きが多く、怪我をする確率が高い。
それらは俺だけなのかもしれない。

俺はエレベーターに向かって走った。
顎を突き出し、目は見開いたまま。
相当すごい顔をしていたのだろう。
新石とエレベーターガールの口が開いたままだった。
明隆:「それ~ぃ!」
かけ声と共にヘッドスライディング。
俺の体は順調にツルツルなタイルである床を順調に滑っていく。
だが、勢いをつけすぎ、新石の足に激突。
新石:「わっ!」
綺麗に空中で半回転し、背中から落ちた。
柔道で言えば一本。
新石をこかしてスピードは半減したが、すぐにエレベーターの壁に顔面をぶつけた。
エレベーターガール:「上へ参ります。」
何もなかったかのようにドアを閉める。
起きあがろうとしたのだが、無理だった。
ドアに靴紐を噛まれ、どうしようもなかった。

《チーン!》目的地の階に到着し、やっと解放された。
明隆:「おぃ!おばはん!よく見て閉めろよな。」
俺は一言言って大会議室へ向かった。
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