~宿命~
正道:「お前、ブサイクだから覆面しとんじゃねぇか?文句あるなら見せてみろよ!甲高い声しやがって。」
覆面の男:「テメェ…我らの力を思い知れ!」
アホの発言で怒り狂った奴は目の前に突き刺してあった長い棒を手に取り、気合いの一声を上げた。
覆面の男:「ハッ!」
その瞬間、何処からともなく敵が現れ、俺達は袋のネズミ化してしまった。
孝道:「これはヤバい…」
ちらほらと仲間から弱音が飛び出す。
明隆:「ふざけんな!人数がなんじゃい!周りに気をつけて行くぞぉ!」
俺は気持ちを高ぶらせ、目の前の覆面男に殴りかかった。
木刀が届く距離になった時、奴の両端にいた奴らが俺の振り下ろした木刀を素手で掴み止めた。
左の男:「無駄だ。」
右の男:「当てさせん!」
俺は一瞬、奴らの素早い動きに圧倒され、隙を作ってしまった。
二人は息のあった蹴り技で俺をふっ飛ばす。
受け身をとり、後転で左右からの攻撃をかわし、かかってくる奴らを蹴散らした。
取られた木刀は左右にそれぞれ投げられ、取りに行く余裕を与えさせないように次から次へと襲いかかってくる。
だが、俺からすると木刀がない方が楽だった。
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