~宿命~
安居をからかいながら帰り道を歩いていた。
その時、安居が何かに怯えるように俺の腕にしがみついてくる。
明隆:「おい!引っ付き過ぎやろ!」
しがみついている方の腕を引っ張り、素っ気無い態度で怒鳴った。
安居:「付いて来てるよ…。」
震えた声で必要最小限のSOS信号を送る。
俺は安居にどうでも良い話を振りながら横目で後ろを確認した。
目が悪かったが4人の不良が付いて来ているのを確認した。
明隆:「ええか。俺が振り返ったらお前はダッシュで逃げろ。後で電話する。絶対振り返るな。」
当時の俺は好きでもない女を守るのは抵抗を感じていたが、パートナーとなれば話は別という考えで動いていた。
他人の為にボランティアなどしている奴は見返り欲しさにしている腹黒連中だと思っていた。
こいつと出会うまでは…。
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