~宿命~
第10章 負けてたまるか
《どふっ!》石が背中に当たった。
干している布団をバットで打ったような鈍い音が衝撃力を物語る。
背中を殴られた時と同じく呼吸困難になり、床に拳を付いてしまった。
明隆:「うっ…クソッ!」
床に飛び散ったガラスの破片が突き刺さる。

俺とさくらは一歩も動けず、如月に玄関から靴を持ってきてもらい、安全性の高い風呂場へ連れて行った。

俺は再びガラスまみれの部屋に戻り、さくらに着替えを渡した。

破片が服に付いているかもしれないからだ。


俺は如月に玄関前で警戒させ、ストーカーどもを懲らしめに外へ走った。


一度、外にいる仲間を集めて指示を出す。
明隆:「いいか、今日で決着をつける!如月は玄関前を警備、家の中に入って来るかも知れんから坂野、服部、島野、本田の4人はさくらを囲むようにして守ってくれ。岸山、小谷、古岡はマンションの左側から奴等を追え。俺は右から攻める。分かったか?」
仲間:「了解!」
明隆:「よし!行くぞっ!」
俺は焦っていたのかもしれない。
それがいけなかった。
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