~宿命~
有坂弟:「残念だな。お前に勝目はない。安居と同じ病院に送ってやるぜ!」
奴は木刀を大きく振り上げ、俺の頭上に振り下ろした。
《ぼふっ》腕の筋肉を限界まで硬くさせ、木刀を受け止める。
明隆:「痛てぇじゃねぇか!アホ!」
俺は奴のお腹を蹴り、その反動を利用して後ろへ転がった。
間合いは取れたが、有坂兄の方が木刀を肩に背負いながら歩いてくる。
明隆:「これも運命か…。」
喧嘩や任務で弱音を吐いた事は一度もなかった。
しかし、今回は体も精神もボロボロにされてしまい、動く事が出来なかった。

明隆:「朋香…もう、終わりや。…ごめんな。」
床に座ったまま覚悟を決めた。
有坂兄がすぐそこまでやってきた時、奴の足が止まった。
そして、次の瞬間。
???:「俺らもいれろや!」
背後から俺を跳び越し、有坂兄を蹴り飛ばした。
明隆:「お前…。」
見覚えがある。
つんつんに立てた短い髪に黒のツナギ服。
こいつは迦楼羅(かるら)団体のリーダー戸田 正道だ。
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