君色チューリップ

頭と体と顔を洗って、お風呂場を出る。

やっぱり人影はいない。

ちょっと、夜の病院って怖い・・。

小走りで病室に戻ると優希はテレビを見ていた。

私にきずいたのか優希は

「横、座れば」

なんて言ってくれた。

私は何も言わずうなずいて横に座った。

ちょっときまずい・・だけど嬉しかった。

「ねえ、愛美って好きな人とかいるの」

優希がいきなり私の顔を覗いてきた。

やだ、だめ、近い!

心の中でそう想いつつも

「んーいる・・かな」

って返事をした。

「かな?」

「いや、はっきりといます!」

「そっかー俺もいるよ」

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