ノスタルジア
「……寝てるだけだよな」
自分に言い聞かせるようにそう呟いて、さらりとおでこにかかる彼女の前髪を掻き分けた。
何もなかったように……。
このまぶたが開けばいいのに。
叶いもしない想いをはせて。
─────ガラ
不意に開いた病室の扉。
あれだけ失望したのにもかかわらず、馬鹿な俺はほんのわずかな期待を抱く。
「…………っ」
「……なんだ、その顔。俺じゃ不満かよ」
「…………うん」
「澪、言ったなてめぇ」