たいにーがーる*




「起きろー。椎名起きろ」

ゆさゆさと揺らされた振動で目が覚める。
誰なのよー気持ちよく寝てるのに。

目が覚めたばかりで重い瞼を、無理やりこじ開ける。


「…馬」


目を開いて最初に飛び込んできた顔に、思わずつぶやく。
言ってから気が付いたよ。

「どうやら椎名はもっと課題を出して欲しいそうだなあ」
「う、ごめんなさいー!それだけはご勘弁!」

馬担任…じゃなくて、担任さまさまだった。
はっはっはと豪快な笑いをかます担任に慌てて飛び起きる。

課題だとかでこれ以上バイトの時間を減らされるのなんて無理。

「本当に課題だけはやめてください…!」
「冗談だ、冗談。にしても椎名あ、こんな時間まで学校でなにしてんだ」

先生のその一言でようやく外の暗さに気が付く。

「今何時ですか!?」

そうして告げられた時刻に私は再び走ることになるだなんて。
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