不機嫌honey
呼ばれた澪王は眉間にシワ。



怒ってる…。



「なにしに来た」

「おかえり…」

「用事ねぇならくんなって言っただろうが。上あがっとけ」

「バカ…。澪王、嫌い!!」



顔が見たかっただけだもん…。



おかえりって言いたかっただけだもん。



久しぶりに涙が溜まる。



2階に戻ると、起きたばかりのユウリが慌ててる。



「どうしたの!?」

「澪王、怒った…。おかえりって言いたかったっ…」

「1階は仕事部屋だから立ち入り禁止って言われたでしょ?」

「うんっ…」

「迷惑かけたら僕らここにいられなくなるよ」



そっか、そうか…。



あたし達の存在は澪王には迷惑なんだ。



ワガママ言っちゃダメなんだ…。



「あたし澪王に嫌われた?怒ってたっ…」



涙が止まらない。



澪王に嫌われるのイヤ。



「後でちゃんと謝ればいいよ」

「ん…」

「シュリは澪王さんが好きなんだね」

「好き…」

「それは恋愛対象なの…?」

「知らない。でも、澪王は好き。正直者でウソつかない」



苦笑いのユウリだった。



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