キャンディ☆キス

朝日の光に照らされた一樹の顔が、ゆっくりと私に近づいてくる。

そんなに真っ直ぐ見られたら、視線を合わせることもできない。



「か…ずき、あのぉ……」



二人分の体重をかけられたベッドが、私を柔らかい布団の中にどんどん沈めていって。

私のドキドキは
さらに最高潮へと昇っていく。



うぅ……私っ
このまま一樹にキスされちゃうの?



頭の中で、昨日の三角イチゴの味がよみがえった。

私は知らないけど、たくさんの女の子が知ってる一樹のキスの味。


したいような……
したくないような……


だって、こんなふうにされたって嬉しくなんてないし。

そ、そりゃ一樹のことは
今でもす…す……



「ち、ちょっと待って一樹っ!」



私は思わず強く目を閉じた。

次の瞬間



ビシッ!

「いっ……痛…」



……デコピン!?



私のおでこに痛烈な衝撃が入った。

その場所を手のひらで押さえながら、私はおそるおそる目蓋を開く。



「これで男だって意識した?」



一樹はいつもと変わらない感じで、上から私の顔を覗き込みながらケタケタと笑っていた。

そんな一樹の様子にも、私の胸はまたギュッとなって。



「ふ…ふざけんなバカズキ!」



外の暑さに負けないくらい、私の全身はみるみるうちに熱くなっていったのだ。



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