ひまわりの涙
ー10ー
やっぱり鯉淵は出迎えてくれた。

その顔には穏やかな笑みをたたえて…

朝のことを謝りそのまま真っ直ぐ自室へと向かった。

今は誰とも長話はしたくなかったし、何より一人になりたかった。

時計を見ると14時半。

一気に疲れが出てきてソファーに横になったまま眠りに落ちていった。




どれくらい寝ていたのか…

部屋の中は真っ暗になっていた。

今何時なんだろう…

明かりを付けようと立ったが、目眩におそわれ倒れそうになった。

ソファーに逆戻りになり、結局は暗がりの中動くことが出来ない。

「急ぐ事なんて何にも無いわよね…」

側にあったクマのぬいぐるみを抱きしめ、窓の外をみる。

えっ?!

だ、誰かいる?

シルエットしか見えないけど確実に人間…

一気に体の血の気が引き、歯がかみ合わない。

どうしよう…

逃げるにも体は動かない。

ただ見つめるしか出来ないでいると、窓の外の人影はゆっくりと振り向くのが分かった
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