44チャンネル-呪われた都市伝説-


これがもし本当に存在する話なら……いやこれは噂でなければいけない。
そうでも思わないと全てが悪い方向へと崩れていく気がする。

(俺ですら恐怖心を覚えるほどの傑作だ、44チャンネルってやつは)
なんて思ったりして俺は44チャンネルを噂へと切り替えていく。


(そうだ。自殺の記事だって偶然だ……そうだ、そうに違いない)
僅かながら話を信じている自分を殺すように。


「曽野宮君は……何で手順と準備をしないの?」


俺の顔を見上げる汐見の目からは涙がこぼれ落ちそうになっていた。
そんな汐見を励ましたくて俺は少し笑いながら応えた。


「44チャンネルは作り話だと思ってるから。ただそれだけだよ」
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