44チャンネル-呪われた都市伝説-
俺はタウンページに記載されているタクシー会社に電話をかけていく。

「あっ、もしもし。タクシーをお願いしたいんですけど……時間指定で」


タクシー会社は時間指定を承諾してくれた、ここでまず承諾してくれないと困る。


「時間は深夜の三時四十一分で……場所は……」


とりあえず自宅近くの適当な場所を指定しておく。

問題は次だ。


「それと運転手の方にお願いがあるんですけど……目的地に着いたらラジオの周波数を適当な場所に合わせてほしいんです。ラジオ局が存在しない周波数に」


電話越しの相手は嫌々ながら了承してくれた。
客の立場ということが手伝って事は着々と進んでいった。


「それと運転手の人には無線で適当に話をしていてほしいんです……別に意味はないんですが」


きっと俺は頭のおかしい人とでも思われているのだろう。
だが勝俣のノイズに対抗するにはその手段しかなかった。


ノイズにはノイズで対抗する、それもかなりの量のノイズ。

そしてタクシー会社特有の無線も付いている。
これも交ぜてしまえば勝俣のノイズは数に負けて分散するはずだ。


俺はとにかく片っ端から電話をかけた、何十件と。


結局全ての条件を了承してくれて集まったのは二十台。
少し不安要素はあったがもう俺には時間の猶予がなかった。


時計は午後十一時三十分を指している。

44チャンネル、手順の開始だ。
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