最後に、恋人。
病室に、由紀と2人きり。
由紀の顔は、何故か安堵している様に穏やかだった。
「・・・・・今日明日死なないって言ったじゃん」
返事する事のない由紀に話かける。
「・・・・・・おいしいもん食う前に死んでどうすんだよ」
そう言って由紀のほっぺたを引っ張る。
由紀の顔はもう冷たくなっていた。
「・・・・由紀の両親が来たらオレ、ぶん殴られるんだろうな」
オレたちの旅行は、誰の目から見ても『不倫』としか映らない。
でも、違う。
かと言って、友情でも同情でも介護でもない。
ただ、由紀と一緒に居たかっただけ。