続・鉢植右から3番目


 ・・・もう手に取るようにわかるっつーの。

 青い空を仰いで私は盛大なため息をついた。

 さて、どうしようかな~・・・。

「私ったら寂しい。こんな時に行くところもない・・・」

 呟いてみれど、夏の早朝、どうしたって爽やかな風を避けようがない。

 風はまだ涼しくしっとりと湿っていて、髪を撫でて通りすぎていく。太陽はキラキラと輝いて、今日も素晴らしい夏の日を約束するかのようだ。

 こんな環境にいて、人間はいつまでも暗さを持続できないものだ。

 午前7時半の路上。

 財布とケータイだけをいれた小さなバッグを持った私は腕を組んで考える。

 夫と顔を合わせる勇気がなくて家を出てきたけど、私には別にいくところもないのだ。

 どうしようかな。川原でも行く?それともとりあえず不審者にならないように早朝の町を散歩する女、になってみる?それとも―――――――・・・・

 ぐるるるるるる~きゅるるるる~・・・・・・。

「・・・」

 一人で、赤面した。

 タイムリーに鳴ったのは、私のキューティーな腹の虫。・・・まったく、人間が頑丈に出来てるんだから!シリアスになりきれない私。どうしてこうなるんだ!

 ぶつぶつ言いながら、足を駅前に向ける。


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