イケメン女子の学園生活 〜番外編〜


『いや〜イルカカッコ良かったな〜』

「そうだね」



ルンルンと嬉しそうに笑う朔月君の横顔を見て、良かったなと思う。

俺はほとんど朔月君を観察するのに時間を使ってしまったけど。



『ふ〜〜。あ、そろそろ時間だな』

「え、…」


フと時計を確認するともう4時30分になっていて。
5時閉館だから…もう30分!?



『しょうがない。じゃ〜そろそろ出口に向かう?』

「ちょ、ちょっと待って。最後に、行きたいとこあったんだ!」



楽しくて時間があっという間とはこの事。
焦ってパンフレットを取りだし、朔月君を連れて目的の所まで急ぐ。



『ど、どこ行くんだ?』

「ごめん、ちょっと急ぐね」


小走りで連れてきたのは南極コーナー。

大量の銀に輝く魚達が泳ぐ幻想的な空間の真ん中。
氷のように再現された水槽の中にスイスイ泳ぐ、ペンギン。



『わっ、ペンギンか!』

「そう…ペンギン」



ペンギンを最後に見たかったのは、このコーナーは薄暗い中に青色の光で照らされている幻想的な空間の中。

人気者のペンギンが、子供達に囲まれていないから。



閉館ギリギリのためか誰もいなく、やっぱり最後に取っといて良かったな。

ムードがあるこの場所でも、


『うはっ、見て、慎二。アイツ泳ぎながらフンした!白い!』

「……うん」

『アハハ!他の奴もフン避けてら!汚いのかな、やっぱ』

「…」


…全くムードがない、朔月君だけど、俺はやっぱりその楽しそうな顔が一番好きだから。



『あ!あのペンギンなんか慎二と似てる!』

「え?どこが?」

『何かしっかりしてそうな所が!』

「…ありがとう。じゃあ、あの子は朔月君に似てる」

『え、何で?』

「………可愛い所が」







ずっと俺の中では一番だから。

また、一緒にデート出来ると良いな。





〜慎二とデート!?2 end〜


< 102 / 149 >

この作品をシェア

pagetop