小さな初恋
「やべぇ…美味しい!!」



無我夢中で食べ続けて、

気が付けば全部食べてしまっていた。


「生クリームついてる!」

そう葵に笑われて、
直ぐに生クリームを拭った。



「葵もついてる!」


葵は人のこと言えないって急いでタオルで口をふいた。





辺りはもう暗くなっている…


「帰ろっか」

甘い味が口いっぱいに広がっている。



やっぱり甘い物は、

幸せを運んでくれる。








大嫌いだった誕生日。


ちょっとはいいかな?って思えた…



美味しいケーキも、

おめでとうの言葉も…



好きな人にちゃんと言ってもらえるなら…


良いかな?って、

思えたんだ。





14歳の誕生日が、

優しい甘さと幸せを残して…



過ぎていった━━━━━━







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