小さな初恋
そう聞くと、


直ぐに葵は自分のさす紫色の可愛らしい傘に、



俺を入れた。

おかげで雨に当たらず、


それ以上制服が濡れることがなかった。





「愛斗のことだから、傘忘れてるかな~って♪」


俺の方が背が高いから、

一生懸命手を伸ばして俺を傘に入れている。



「俺が持つ」


葵から傘を取って、



お互いが濡れないように、

身を寄せながら傘をさした…




俺のために、
学校まで来てくれた葵。


「ありがとう…」



少し狭い傘が、

俺と葵をくっつけた。





いつもより近くに葵がいるから、


優しい葵の香りがする。





高鳴る鼓動がバレないように、


黙って家まで歩き続けた。














< 116 / 200 >

この作品をシェア

pagetop