小さな初恋

親友

『好きだ!!』


やめてくれ…



変な噂が流れる。


『変なこと口走んな』

「ガラッ…バン!!」



ほら見ろ…


今、

誰かが入って来ようとして、



勝手な妄想をふくらませて出てったじゃないか…




『お前…バカだろ?』


今俺がいるのは、

放課後の図書室。



グラウンドでは陸上部がリレーの練習をしている。


夕焼けに染まった静かな図書室で、



そこだけ時が止まったかのような感覚になる…


『違ッ…!!

お前が好きなんじゃない!!』



慌てて訂正をするのは、

坂下 初真。



同じクラスで同じ部活。


超がつくほどバカで、

いつも主語が抜けていて意味不明な言葉を発する。



今だって、


いきなり『好きだ!!』とか叫び出したし…




俺だって一瞬まじで焦ったよ…






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