悪魔的に双子。

家に帰ると、一晩留守にしていたお父さんとお母さんが戻っていた。


お父さんはサンダルを除けば靴を一組しか持っていないツワモノだし、お母さんはその時のお気に入りしか履かないから、玄関に入ればすぐに分かる。


「お父さんたち、帰ってるみたいだね」


何の気なしに言って後ろの三人を振り返ると、不思議そうな顔をした有志と、なぜか青ざめている真昼と唯流がいた。


「ねぇ、その靴誰のかな？」


有志の言葉に下を向くと、確かに見知らぬ靴があった。


「誰か来てるのかな？」


そう言いながらも、有志は妙な顔で首を傾げる。


その靴は、どこにでも売っていそうな運動靴だった。


しかし、そのデザインが妙に若い。


白に紫色のライン。


靴の形や模様なんかで一概に持ち主の年齢をはかれるものではないけれど、お父さんとお母さんの客の靴にしてはかなり若い人のものに感じられた。


「ねぇ、あんたたち、大丈夫？」


ただでさえ白い顔がさらに白くなって蝋人形のようになっている二人に声をかけると、その見知らぬ靴を凝視していた真昼と唯流は同時に口を開いた。


「「……やな予感…」」