悪魔的に双子。
「田城さんっ」


蓮の瞳が不気味な色を放つ。


「なに?」


直接向けられた訳ではない有志がドン引くほど好奇心丸出しの声に、田城は優しい笑みを返した。


その作ったような笑顔に、わたしの体温は心なしか下がった。


しかし、抑えきれない好奇心の前では時々恐ろしく鈍感な蓮は気づかない。


無邪気とも言える様子で田城に尋ねた。


「ズバリ、新田龍三郎氏との関係は?」


田城の整った顔に笑みが硬直する。


わたしは内心冷や汗をかきながら二人を交互に見た。


有志の眉が困ったように下がっている。


多分、わたしの今の顔もあんな感じだろう。


わたしにでも、新田の表情が変わったのは田城の存在に気づいた時だと分かったのだから、情報収集のセミプロ蓮が気づかないはずもない。


しかし、新田の存在丸無視してた田城の様子を感じとって、軽くスルーぐらいしてほしかった。


「さぁ?知らないよ。有志と同じ部活の人ってことは知ってるけど」


田城は何とも言えない目をして蓮を見つめていたが、ふっと表情を緩めて、何でもないように言った。


「ふーん、あやしいですな~田城さんとわたしの間に隠し事はなしですぜ」


空気読めない蓮がさらに言い募る。


すると田城は、今度こそ本当に優しい笑みを蓮に向けて言った。


「ホントに知らないよ。蓮ちゃんは面白いなぁ」


「むっ、手強い」


しばらくの間、蓮はしつこく田城を問いただしていたが、田城は軽く流して笑うだけだった。


わたしと有志はほっと息をついて、ようやく昼食を再開した。





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