悪魔的に双子。
「あ、青ちゃんの……弟?コートに入るみたいだよ」


先輩の言葉でコートに目をやると、有志と入れ替わって真昼がコートから外れていた。


入れ替わる時でも、真昼は有志の方をまるで見ようとしない。


「ホントだ。……ちなみに弟ではなく兄です。」


先輩に返事を返しながら、わたしは今朝の二人の会話を思いだしていた。


『有くん、醤油とって』


『はい、どうぞ』


『ありがと』


たったそれだけ。


でも、バスケ部の子たちが聞いたら、びっくりするくらい家庭的な会話だよな、と少しおかしくなった。






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