Many☆Love










このホテルは海の近くにある。





歩いて海まで行こうかな!





ふと、空を見上げると星がきれい。







都会じゃなかなか見れないし。







海に着いて、砂浜に腰をおろした。







海を眺めているうちに、思い出した。







今まで思い出したこともないような記憶が海を見たことによって思い出した。





小さい頃、家族旅行で行ったんだ。海に。





その時は、お母さんもお父さんも優しくて、私をかわいがってくれて、愛されてるなって思ってたのに………。






お母さんと、きれいな貝探したっけな~。





お父さんと、砂のお城作ったけな~。





ビーチバレーもした。 




花火もした。




ずっと、ずっと幸せが続くと思ってた。





『また旅行に行こうね!!』




両親にそう言った。




でも、それっきり。
 



二人とも仕事が忙しくなって、



私を放ったらかして、




私を一人にさせて、




私に興味をなくしたんだ………。




楽しかった、愛してもらえた、優しくしてもらえた頃に戻りたい。





でも、何年もまともに両親と会話らしい会話はしていない。





そんなふうに、溝ができてるんだ。





簡単には、溝は埋められない。





『紫音の笑顔が、パパとママは大好きだよ』




小さい頃、両親はよく言ってくれた。





でも、もうあの頃みたいに、笑えない。












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