OCEAN SONG

チロルチョコ


一週間後。

ピンポーン、と家のチャイムが鳴った。

「はい」

僅かにドアを開けて
主の顔を伺う。

「よお!」

太陽のように、爽快に笑う
彼の姿があった。

汗の滲んだ肌は
少し日に焼けたように感じる。

大きく開いた口からは
白い歯が漏れている。

日に焼けた肌に
開いた口から漏れている

白い歯はスポーツマンの
彼には様になっている。

「え、内野くん!?」

私は驚きのあまり、
目を見開く。

「どうしたの?」

私は目を見開いたまま
彼に問いかけた。

「こないだのノートのお返し」

と言って、手を差し出された。

重ねられた手に、ドキンと胸が高鳴る。

手を開くと、可愛らしい
チロルチョコが2、3個乗っかっていた。

「ありがとう。私、これ好きなんだよね!」

ピョンピョンと跳ね上がるように
顔をほころばせる。
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