スイート・プロポーズ
ちょうど前を通り掛かった梨乃を、呼び止める。
「喫煙所じゃないですか? さっき、タバコ持ってるの見ました」
「そう、ありがとう」
お礼を言い、円花はどうしようかと悩む。
(早く予定を立てたいんだけど、邪魔するのは申し訳ないし・・・・・・。少し待って戻らなければ、探しに行こうかな)
円花は座り直し、しばらく待つことにした。
(遅い・・・・・・)
十数分程待ったが、夏目が戻ってくる気配はない。
煙草を吸うだけならば、ものの数分だ。
円花は立ち上がり、探しに向かうことにした。
(まずは喫煙所よね)
円花は煙草を吸わないので、喫煙所に足を運ぶことはまずない。
「円花!」
「ビックリしたぁ。美琴か」