水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」 




何重にも重なって聞こえる、
歌詞にはなっていない不思議な歌声は
自然の疲れてしまっている私の心をゆっくりと包み込んで満たしてくれるみたいで
時間の許す限り、私はその部屋の椅子に腰掛けて、音楽を楽しみ続けた。




体を内側から暖かく満たしてくれるような
天使の歌声を初めて聴いたその日、
無意識のうちに流れ出す涙に戸惑いながらも
そうやく自分の足で地面を踏みしめられた気がした。





その天使の歌声を聴いたその場所で、
もう一人の親友と出逢うことになるなんて、
この時の私にはまったく知る由もなかった。





夏休み最終日のバイトを
天使の歌声に触れて、すがすがしい気分で終えた私は
翌日から、二学期を迎えた。
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