初恋~番外編~
景一くんとの再会から2週間が経っていた。

『頑張って登録するよ』

景一くんはそう言ってくれたけど、
この2週間の間に景一くんからの連絡はなかった。

仕事が終われば、真っ先に携帯を見て
なんの変化もない待ち受けに肩を落としていた。

(『登録する』とは言ってくれたけど、『連絡する』とは言ってなかったもんな・・・・)

今日も着信を知らせるマークのない携帯を確認して、ため息と共に家路に着いた。






沙羅の結婚式に出席している景一くんを見たとき、胸が詰まった。


なんて表情で沙羅を見てるんだろうって思った。

目を細め、眩しそうにしながら微笑み、
でも泣き出しそうな顔をしていた。

なぜか自分を責めているようにも見えた。

私はそれを少し離れたところから見ているしか出来なかった。
なんて声を掛けていいかも分からなかったから。
だから、偶然ひとりで歩く景一くんを見た時は反射的に名前を呼んでいた。

思えば、ふたりだけで話をしたのはあれが初めてだった。

気の利いた話も出来ない私に、景一くんは嫌な顔せずつきあってくれた。
その上、連絡先まで聞いてくれて本当に嬉しかったの。

またふたりで話せるかもしれない。

そんな期待でいっぱいだった。


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