完全無欠残念男子
私の彼氏は学園の王子様である(笑)


私の彼氏は学園の王子様☆

みんなのアイドル☆

とか周りの友達はみんな羨ましながら言うのだ。


騙されてる。


上っ面に騙されてる。

という訳で、こんにちは沢城結と申します。

今は登校中な訳です。

みんなの言う学園のアイドルと待ち合わせ中です。

待ち合わせ時間よりまもなく十分を過ぎました。

王子様は全くやってくる気配ゼロです。コノヤロー。

多少の時間なら許すけど、十分って一体何なんだ。

昨日はあんなにメールして確認したのに。

いい加減来ないと遅刻をしてしまう。

諦めて、学校に先行ってしまおうか。

そう考え、私は歩き始め…ようとした。

後ろから聞こえる、ごめんの声。

どうやら、王子様のおなーりーのようだ。


「結ーー!ごめん!遅れたー!…いたっ」


私は軽く彼の頭を叩く。

女の子に十分も待たせたのだ。

これくらいで済むんだから、むしろ感謝してもらいたい。


「怒ってる?…ごめん」


うるうるな瞳で言ってくるごめんなさいは私の心にクリティカルヒットした。


「…怒ってる。理由聞かせて」


理由なんか分かりきっている。

その理由にこそ、彼を私が完全無欠残念男子と呼ぶ所以だ。


「魔法少女ま〇か〇ギカの再放送リアルタイムで見てました…んでそっから、〇いよれニャル子さん見てました…。んでネット通販で涼宮ハル〇のグッズとみな〇けのキャラソン予約してました…で寝坊しました…」


みんなの学園の王子様は根っからのオタクっ子です。

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