クロッカス色の恋
フクジュソウ



3年程前、松浦先輩の卒業式後回想、


『颯ちゃん!!ちょっと良い?』


と彼を呼び出し、何時もサボリに使ってた空き教室に入った。


「さゆり?どうかした?」


何て私の陰気な雰囲気に気づいたせいか、顔を強ばせそう聞いて来た彼に何処から話せば良いのか分からなくなってた自分を冷静にさせたって良く覚えってる。


『颯ちゃんあのね?私はね?




颯ちゃんが好きだったの。




これは恥ずかしいからあまり言いたくなかったけどこの際だから言うの。
私はね?
ただの自惚れだけど、颯ちゃんも私の事好きなんだって思ってた。
私を見てるんだって思ってたの。
でもね?聞いちゃった...っ!!
駿ちゃんと話してるのを偶然聞いちゃったの!!


颯ちゃんが...


颯ちゃんが本気の人の面影しか私に見てないってね。
颯ちゃん。
ごめん。
私は、私なの...。
あの人じゃない!
!顔が似てるとか、名前が一緒とか、あの人の面影があっても私は、私なの!!
私は、私にしかなれない。
今ならそう言える。
でも最初は、颯ちゃんがそう望むのなら私はその人の代わりでも良い、そうなってやろうって思ってたの。
でも、辛かった。
何時の間にか颯ちゃんの全てが偽りに見えてきて、颯ちゃんの本気の人が再び現れたらって考え始めて気が可笑しくなって狂いそうになったよ...
結局はね?
その頑張りは私がまだ、そんなことを受け入れて、そんな事が出来る程大人ではなかったって事の認識しただけ。
ごめんね。颯ちゃん
貴方為でもその人の代わりには...なれないっ
ごめん!!』


そう言って私はその教室から走って逃げ出した。


3年程前、松浦先輩の卒業式後回想終了。


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