彼女志願!2nd
「でも、すごく嬉しいんです。あの『お狐陰陽師!』のノベライズなんですもん! プレッシャーもありますし、できるのかって不安になるけど、それ以上にどうやってキャラクターたちを動かそうか、ワクワクしてるんです!」
はしゃぐ私を見て、穂積さんはふっと目を細める。
「萌……」
「頑張ろうと思います。だから穂積さんも、お仕事頑張ってください」
見つめあう私たち。
緊張した空気はない。ただそこにあるのは、お互いを思い合うあたたかさ、思いやりだけだった。
「そうですね。僕もアニメ化なんて初めてで、萌と同じようにワクワクしてます。だから仕事に集中したいというのも本音です」
穂積さんは軽く微笑みを浮かべると、それからゆっくりと顔を近づけ、私の頬に唇を寄せた。
「だけどね……久しぶりに萌がやる気になったことが、担当としてではなく、恋人として嬉しいんですよ?」